「それもう見てないから」
……確かに。見れないのにホラー映画借りて来るなんて、バカだったかもしれない。
時間差で顔が火照っていくのを感じたときだった。歩いてきた凪くんの手が私の頭にぽんと置かれて。
「ありがと」
ドキンと心臓が跳ねる。
っ、嬉しいっ!凪くんがありがとうって言ってくれた。
「ふふ。どういたしまして!」
凪くんが座り込んだからテレビをつけて、DVDを入れる。
グルグルと回る円の下に『ディスクを読み込んでいます……』という文字が表示された。暇だから、隣の凪くんを見つめる。真剣に画面を見つめる顔。
暗い部屋と凪くんの上品な顔がマッチしていて、ものすごく危険な雰囲気がある。
そこでふと、今日の松嶋さんを思い出した。凪くんに学校であんな触れられるなんて、いいなぁ。



