冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



本当に、絶世の美女と釣り合うのが凪くんだと思う。

そんな凪くんに私は「かっこいい」って毎日言わずにいられないのに、凪くんは正反対のことを私に毎日言う。


……いっつも子供ってバカにしてくるから、ポニーテール、したのに。


自分でポニーテールの毛先をくるくると触る。気づいてくれないことに悲しくなるけど、それが私の彼氏だから仕方がない。心のどこかでは、分かってたもん。


そもそも私が凪くんと付き合えただけで奇跡なんだからって自分に言い聞かせる。


「てかさ、昨日の約束なんてお前まだ覚えてたの?」


「っ、凪くんとの約束は絶対忘れないもん!」


「あそ」