冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




席を立ってはしゃぎ始めたからみんながさすがに迷惑してたとき。


「邪魔なんだけど。板書とれない」


凪くんのその一言でしん、と教室が静まり返った。別に大きな声だった訳じゃない。乱暴な言葉遣いだった訳じゃない。むしろ、静かで透き通った声だったのに。


凪くんから出るオーラには、誰も逆らえなくて。怒っているのか、それとも蔑んでいるのか。黒の瞳からは読み取れなくて。


それがまた王様、いや皇帝のようだった。ここからうちのクラスで凪くんはいわゆる「皇帝」になった。


凪くんの言うことはみんな聞くし、凪くんの近くにいることができるのは可愛いお姫様か、はたまたかっこいい護衛か。とにかく私みたいな農民は近寄るだけでも恐れ多い人。