冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



インターホン越しに、寝起きだからか掠れた凪くんの声が聞こえてきた。


そう。この声の主こそ、私の彼氏、凪くん。


「凪くん。昨日の約束。来たよ」

「は、本気で来るとか」


そういう声が聞こえながらも開けられたドア。開いたドアから大好きな人の顔が見える。


━━━━いつもはもっと真っ直ぐなのに、寝起きだからか猫っ毛になってる漆黒の髪の毛。

髪の毛と一緒の色の目。今日は眠そうにそ褒められてる。

形の良すぎる鼻と口。薄めの唇。


肌は陶器のように滑らかで、本当に人形のように整った顔立ち。


「っ、凪くん、今日もかっこいい」


「一葉は今日も子供っぽいねー」

バカにしてくる顔さえ、こっちがゾクっとしてしまうようなイケメンさ。