「中村さんとは家が近くて。校門で会ったから一緒に行こうってなった。ね?中村さん」
……さっきまで一葉って呼んでくれてたのに。「中村さん」なんて白々しい呼び方。さっきの凪くんの「余計なこと言わないで」にはこういう意味があったんだ。
だから私も大人しく、凪くんが求めてるだろう中村さんを返す。
「うん。早く来てみたらたまたま会うなんて、ビックリしたよ」
どうやら満点の回答を返せたようで、あははと王子様スマイルをして仲間たちと一緒に話を始めた凪くん。そこの部分だけキラキラしてて、ヒジョーにいづらいから自分の席へ行く。
━━━━凪くんとの約束その1。学校で関わらない。
付き合うとき、凪くんに約束を3つ取り付けられた。