冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




ダメダメ。こんなこと考えても、私は変われないんだから。私には松嶋さんみたいに、白くて長い足なんかもないし、誰もが振り向く美貌もない。

勝てるところは、胃の大きさぐらい。足の太さも勝てるかも。

……悲しいところしか、勝てるところがない。自分で言ってて悲しくなってた時だった。


「一葉、」


「なにー?」

さらりと、結んだ髪が持ち上げられる感触。弄ぶようにくるりと1周させて離れてく手。

それが凪くんの手だと認識するのに数秒かかった。

「今日、髪違う」

「っ!凪くん!気づいてくれたの!?」


「うん。朝一葉が来たときからずっと。髪の毛いじって気づいてほしそうにして、バレバレなんだよ」

「えへ、そうでしたか」