冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



「……は?一葉……?」


「あは、は、凪くんさっきぶり、」


軽く手を振ろうと袖からちょびっと出した手。

すごい勢いで手首を掴まれて凪くんの胸の中に収められる。



「ななな凪くん!?」


「……朝光、おまえ」


「えー、もしかして2人知り合いだった?でも俺、ほんとに入口で会っただけだよ?」


なぜだかにんまりしている黒羽さん。


一方、凪くんの腕の中にいる私は心臓のドキドキが止まらない。




「……一葉、体調悪いの?帰るよ」



「うん……、なんかお邪魔しちゃってごめんね」



「ほんとだよ。体調悪いならすぐ言って、迎えに行くから」



1人で立とうとすると膝に力が入らなくてがくん、となってしまう。

思えば頭のズキズキもひどくなっているような……。


そんな私を見て心配そうに体を支えてくれた凪くん。


「……ごめん朝光。俺この子家まで届けるから会議先にすすめといて」