冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



「お、蒼葉じゃん。久しぶりー」


「あ、朝光。聞けよ、俺せっかく教えに来たのに凪の野郎がさー」



……ん?

凪、ですと……?



あれ、そういえば聞き覚えのある声って、凪くんに似てた気がする……!

まさか、ね、と半信半疑で部屋の奥に顔を覗かせると丁度でてきたその人。


薄暗い部屋でも目立つくらいの黒髪は、


━━━━━━間違いなく凪くんだった。


「教えに来たのに、じゃねーよ。族裏切って抜けたやつが遊び感覚で来んな。そもそも今だって奥の部屋で幹部と会議してたんだよ。邪魔でしかねー」


「相変わらず固いなー、凪は」

「違うんだよ、今日返ってきたテスト、凪が学年1位俺に取られたから拗ねてやんの。かわいー」


学年1位、黒羽さんだったんだ……。


冗談っぽく返した蒼葉、と呼ばれていた人と黒羽さんを無視した凪くんは続ける。



「てゆーか朝光。おまえは遅刻しすぎ、奥の部屋で会議とっくに始まってんぞ」



「この子が扉の前で体調悪そうにしてたからさぁ」



途端に肩を引っ張られて明るい方へ出される私の体。

そこで初めて凪くんと目が合った。