冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



だれかに道を教えてもらえれば、家まで帰れるかも。


ドンッ!


「っあ、ごめんなさい……」


しんどすぎて、また前を見ずに歩いてしまっていたみたい。
誰かの背中に頭をぶつけてしまった。


「え、あんたなんか見たことある」


「……え?」


━━━━━━びっくりした。

ゆっくり振り返ったその人は、紛うことなきうちの学校最大の不良、黒羽朝光くんだったから。

すっごく大きい族の総長をしてるとかで全学年の生徒が彼の顔と名前を知っている。


……初めて近くで見るけどすっごくイケメン。

暴走族の総長なんて忘れてしまうくらいの綺麗さに目を奪われてしまう。



「聞いてる?あんたうちの学校の人でしょ」


「あ!はい、そうです、」


「……めっちゃ顔赤いけどだいじょーぶ?熱あるよね?」



「そう、ですかね」



キツすぎて自分じゃ顔が赤いとかよく分からない。


目の前の彼の顔だって溜まった涙でブレてて。