冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



ああ、私またやっちゃったなぁ。


松嶋さんの圧に負けて凪くんとのデート権ゆずっちゃった。
凪くんにも教えて貰ってたくさんテスト勉強したのに。


「っはぁ、」


頭でも嫌なことを考えているからか、体がどんどんどんどん重くなっていく。


前を見ずにとにかく足を動かすことだけを脳から命令していると、



「あれ、」


まったく見覚えのない路地に出た。


綺麗だけど目立たない部屋のようなものがいくつかあるけど、雰囲気はとてつもなく暗い。

ここにいちゃダメだってすぐ分かったけど、どっちに行けばいいかさえ分からなかった。


「どうしよう……」



さっきまで考えていたこともあって、目に涙が浮かぶのが分かった。


でも歯を食いしばって自分を戒める。


ここで泣いてもなにも変わらないんだから、しっかりしないと。


重い体を引きずって、とりあえず近くの家のようなところのドアに回りこむ。