冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




そう勝手に理由をつけて、大量のエナジードリンクを、飲み干すのに約小一時間。

私はすっかり頭が痛くなってしまった。



「志穂ちゃん、私今日かえるね」


「?一葉、なんかあった?」


「ううん、体調わるいだけ……」


「そう、1人で帰れる?」


「うん、ありがとね」

ずき、と痛む頭を抱えながら荷物をとって、焼肉屋をあとにした。

うう、なんであんなことしたんだろう。
自分の馬鹿さが目立って恥ずかしい……。


店内は外からもわかる盛り上がりようで、私が抜けたことは志穂ちゃん以外誰も気づいてなさそう。


すうっと息を深く吸い込むと冬の冷たい匂い。


さっきまで暖かく、騒がしい場所にいたせいか、夜の街が異常なほど静かで、ところどころに光るライトは怪しく見えた。


ここの焼肉屋は家からわりと近いから、とぼとぼ足をすすめて歩いて帰る。


凪くん、は、もう帰ってから1時間くらい経っているしいないよね。



1歩。

歩く度にズキズキと頭の痛みが増していく。

なんでこんなに痛いんだろう……、やっぱりエナジードリンクを飲みすぎて一時的な知覚過敏になってるのかな。


そうだったらあとで治るだろうからいいけど……。


頭で考えれば考えるほど痛くなるのに、頭を回すことを辞められない。