冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




「で、できるよ!お客さん動員は松嶋さんたちの足元にも及ばないけど、私なりに頑張るもん!」


「……そーゆーことじゃなくて、」



カチャリ、とかけていたメガネを外して机に置いた凪くん。

さっきまでの真面目さが一気になくなって、いつものゆるい、けど確実なオーラを持った彼に変わる。

心臓が跳ねる音が聞こえた瞬間、


ドサッ


「えええ!?凪くん!?」


「はー、この前も言ったけど、男は誰でもいいやつだっているんだよ」


組み敷かれる、ような形で押し倒された。


怒りを孕んだ目。

そんな目なのに、ドキドキしてしまうの私はおかしいのかな。


「あ、はは、私のメイド服なんてどうせ誰も見な、」


「見るから」


「え、」



「俺が見るから言ってんの」



じっ、とこちらを見据えてくる2つの黒い瞳。

さっきにも増してバクバクと脈打つ心臓。
それと同時に嬉しさがぶわっと襲ってきた。