甘いイチゴのような匂い。
これで凪くんもイチコロになったりして……?
「てかさ、一葉ほんとにメイドやんの?」
「え、やるけど……」
……現実はそんなに甘くないみたい。
すん、と済ました表情でそんなことを聞かれた。
私がメイドをやるというのは文化祭での話。
実は今日、投票でうちのクラスの出し物はメイド喫茶に決まったんだよね。
メイドやりたい!っていう子より、裏で料理をしたい子の方が多くて。
文化祭実行委員である私はもちろん余った役職になってしまった。
私の答えを聞くとなぜかちょっとだけしかめっ面になった凪くん。
「メイドなんてできんの?」
え、
もしかして見苦しいからやめろ、とか思ってる?
松嶋さんとか、その辺の可愛い女の子たちもやるから見劣りするのはしょうがないよ……。



