冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




「ねえ、凪くん」


「ん?」


「……私も凪くんに勉強、教えてもらいたいかも、です」



なぜか語尾が敬語になってしまった。
きゅ、と凪くんのブレザーを掴んで視線を上に上げる。

相変わらず、その無機質な瞳からはなにも読み取れなくて。



「えー、めんど」


「っ、だってね、私このままじゃクリスマス凪くんと一緒にいられないの、ていうかそろそろ本気で留年しちゃうかも……」



これもほんと。

凪くんに勉強を教えてもらっていた松嶋さんに対する対抗心ももちろんあるけど、普通に私の勉強もヤバめ。



「凪くん、」


「……いーよ。教えたげる。でも俺が教えるからには、ひとつでも赤点とったら許さないから」



「う、努力します……」



こういうときの凪くんはかなりスパルタだけど、一緒にいられる口実ができてそれも吹き飛んでいってしまう。