冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




「な、なんでここに……」



「……カノジョを寒い中待ってた、かわいそーな俺ですけど」



「松嶋さん、とかは?」



「先に帰ってもらった」



「っ、〜〜」


ついさっきまで。


さっきまでモヤモヤしてたはずなのに、その一言だけで一気に氷が溶けてしまう。



さらり、と夜風になびく凪くんの黒髪。
怒られるかな、と思いながらそっと手を握った。


「……なに」


「ご、めん」


案の定、苦い顔をした凪くん。

困らせてるかな、って手を離した。


ゆっくり離れていく体温。

かと思えば、



きゅ、ともう一度繋ぎ直される。




「ね、こっちでしょ」


いわゆる''恋人繋ぎ''をされた手。

冬の星空を背景に、それはそれは色っぽく笑った凪くん。


手から凪くんの体温が伝わって、体がぽかぽかしてくる。きっと、精神的にも温かいから。