冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




「はいっ!また絶対行きますね!」


マフラーを巻きながらバイトの先輩に手を振った。


凪くんたちに会ったのは想定外だったし、ちょっとショックだったけど最近会えてなかった先輩に会えたから良しとする。


幸せな気分で鼻歌を歌いながらお店を出ると、外はもう真っ暗。



そりゃあ真冬だもんね。うう、寒……。


室内は暖房が効いていたから気にならなかったけど、ドアを開けた瞬間に体にビシビシ当たる北風。


視線を上げると満点の星空は憎たらしいくらいに輝いている。



マフラーを指で鼻まで上げて、顔を埋めたとき。



「っえ!ななな、凪くんっ」


「……なに。叫ばないでうるさいから」



右の方に、同じようにマフラーを鼻まで引き上げた凪くんがいたんだ。


気だるそうに目を伏せていて、鼻の上らへんは真っ赤で。


それは多分、凪くんが長時間ここにいたことを表していた。