冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ





「いらっしゃいませ。お待たせしました〜」



こと、とお皿を置いて笑いかける。


目をキラキラ輝かせた目の前の5歳くらいの女の子。

その視線は私が今置いたふわっふわのオムライスに釘付け。


ふふ、かわいいなぁ。


ペコ、と頭を下げて次のテーブルへ向かう。


さっき、間に合わないかと危惧したものの、なんだかんだで結局ギリギリセーフ。


滑り込むようにカフェに入って、そのままバイトを始めた。



今トレーの上に乗っているのはコーヒーとメロンソーダ。

湯気を立てたほかほかのブラックコーヒー。
コーヒー、かぁ。凪くんも好きなんだよね。



砂糖もいっさい入ってない、あの苦いやつ。

子供舌の私には良さが分かんないけどね。



「お待たせいたしました……え?」



「は?一葉?」