冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



曇っていたと思った先輩の表情。でも次に言葉を発した時にはにこにことしたいつもの明るい先輩だった。


一瞬見えたあの寂しそうな哀しそうな顔は勘違いかな、と胸の中に閉まっておくことにして目の前のポンポンの仕上げにとりかかる。


「先輩、私も終わりました……!」


「お疲れ様!やっと終わったね!」


ここしばらく、ずっとこれを作ってたからやっと終わったという達成感と疲労感がどっと押し寄せてきた。


あー、これが終わってもテスト勉強しないといけないし……。


うげ、と苦い顔になってしまうのを避けれない。


凪くんと一緒に楽しいクリスマスを過ごしたいから頑張るしかない……!


そう思った矢先だった。


プルルル プルルルルルル

わたしの携帯の着信音が鳴り響いた。


「もしもし、」


『っ、一葉!久しぶりー』