冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



あくまで''いつもに比べて''だけど。


「そーなんだ」

気にしてませんっていう表情を作るのは、私ができる精一杯の抵抗。


相変わらず凪くんの表情は見えないし、見えたとしても読めないだろう。


「凪くんは?なんだった?」


「……ナガクテ先輩と知り合い?」


思わぬ名前が凪くんから出てきてびっくりした。


長久手先輩?どうして、いきなり。


必死に回した思考回路はありえない答えに行き着く。


も、もしかして嫉妬!?


少女マンガとかでよくヒロインがされてるあの!?



……いや、ない。


だってあの凪くんだもんね。


ないに決まってる。うん。


きっとキスしそうになったところを見られてたから、何か聞かれたかとかそういうことだよね。


「……うん。そうだよ。すごい優しくて、いい先輩」