冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




「はい、水」


「……ありがとう」


目の前にはずっと私の頭の中にいる人。


恥ずかしいのやら、松嶋さんのことやらがあって、目を合わせられない。

代わりに目の前の透明な液体を眺めた。


そういえば、凪くん私を空き教室に呼び出したとき、何か言いかけてたっけ。


いつまでもこの空気でいたくもないし……。

ええい、聞いちゃえ!



「一葉、」


「凪くん、」


ピッタリとお互いを呼ぶ声が重なった。


「……そっちからどーぞ」


いつも通りの冷たい声が聞こえた。

「っ、うん。あのね、今日空き教室に私を呼び出したじゃん?それって、どうして?」


「あー、」


長いまつ毛を落として目を伏せた凪くん。