冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



「自殺、するつもりだった?」

「え、違います違います、いや完璧に違うわけじゃないですけど……。とにかく大丈夫、です」


「よく分かんないけど、自殺なんかやめてね。隣が事故物件とか無理」

軽く笑った凪くんは、冗談を言ってたけど私を助けてくれたことに変わりはなくて。

「大丈夫です。幽霊になったらこんなところに留まらずに、おいしいものたくさん食べに行くので!」

「は、幽霊って食事できんの?」

「……確かに、」

「はは、お前面白いね」

肩をふるわせて笑った凪くん。瞳がすうっと三日月型に細められて。

「これからよろしくね?お隣さん」


自殺をとめようとしてくれた。この事実に運命的なものを感じて、私はもう、このときに凪くんに恋をしてしまったんだ。