「……うん」
「はい」
バサッ
布が擦れあう音。
同時に背中に伝わった暖かい温もり。
「それ着たら多少はあったかいでしょ」
「でもそれじゃ凪くんが寒いんじゃ、」
「俺はだいじょーぶ。こう見えて割と鍛えてるし」
……不思議、だね。
さっきまで冷えきってた心は、
少しずつ凪くんに溶かされていく━━━━━。
ああ、やっぱり。
私、凪くんのこと諦めたくないなぁ……。
「ほら、あと家までちょっとだから。立って」
「……うん」
立ち上がって凪くんの後ろを歩く。
息を吸い込むと冷たい冬の空気とともに凪くんの匂いがして鼻の奥がつんとなった。



