冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



びっくりして声もろくに出なくなる。


そもそもどうしてここにいるのかすら分からないけど。


私の鍵を一緒に探してくれてる……?


なんで、


なんで、こういうときに限って、優しくしてくれるのっ……!


「お、あった」


顔の横に私の鍵をぶら下げて見せてくる凪くん。


横でにっこりと笑っているクマが軽く揺れた。


満足気に笑う凪くんは、年相応に感じられてそこにすらなぜか泣きそうになってしまう。


「あり、がとう……!」


震えながら鍵を握りしめると、凪くんは一瞬顔を歪めた。


瞬きした間にはもうその顔はいつもの顔に戻っていたから勘違いかもしれないけど。



「……手」


「手?」


「真っ赤。寒かっただろ」