冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ




声に出すときっと寒さに当てられたんだろう。


不思議と涙が出てくる。



「……一葉」


「……え?」


伏せているから真っ黒な視界の中で、大好きな人の声が聞こえた気がした。


幻聴かな、なんて思って顔を上げると


「凪、くん……?」



そこには凪くんがいた。


「なにしてんの」



「っえっと、鍵を落としてしまってですね、」


涙が出そうになってたことを誤魔化すためにへへっと馬鹿らしく笑ってみせた。


「ふーん」


私と同じようにしゃがみこんで何かを探す素振りをしてくれている凪くん。


「な、凪くん?なにを……」


「はぁ?お前の鍵探してんだけど」


っえ、