冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



凪くんが松嶋さんのことを好きなら応援するのが正解って分かってる、けど……。


そんな簡単に応援なんてできるほど私はできた人間じゃない。


私って嫌な人間だなぁ……。



はぁ、とため息を着くとライトに照らされて白い息が出た。



今日は満月がすごく綺麗なのに、私はその周りの真っ黒な闇みたい。


「……あ」


チャリン、と音を立ててポケットから家の鍵が落ちてしまった。


道路が黒だから上手く溶け込んでいて見つけられない。


こ、困る……。あれには凪くんがくれたくまのぬいぐるみがついてるのに……。


一生懸命探すけど見つからなくて、その場にしゃがみこんでしまった。


「もう、やだ……」