冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



私の重い体が乗ってしまったなんて……。


怪我とかさせていたら申し訳なさすぎる。


「あはは、僕は大丈夫」


手をヒラヒラ降って大丈夫ポーズをする先輩。


無理している様子もないし、心の中に安堵が広がった。


けど、

「あ、先輩……。ここ」


先輩の白い目尻にかすかな切り傷があるのが見えた。


皮膚が敗れて少しだけ血が出ている。


「え?どこ?」


「ここです、」


そっと先輩の頬に触れる。


「……っ、」


そうすると先輩は首が振り切れるんじゃないかという勢いで後ろに首を振った。



「せ、先輩……?私が引っ掻いちゃったのかもしれません。ごめんなさい」


「ううん、全然大丈夫」