冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



ダッシュで空き教室へ向かって扉を勢いよく開けた。


がららららっ


思った数倍大きい音が出てびっくりする。

「っはぁ、はぁ、」



「うわ、ドアうるさ」


スマホをいじっていたらしい凪くん。


前髪からこちりを覗く瞳が、スマホから視線を外し私を捉えた。


「ご、ごめん……。それでなんだった?」


息切れから少し震える声の中にも嬉しさは拭いきれてないのが自分でも分かる。


カタン、と無機質な音がして凪くんがスマホを置いた。


「昼休み、環と何話してた?」


「えっ、と……。」


なにって……、


松嶋さんは凪くんのことが好きだから協力してほしいって言われた。

なんて、言えるわけがない。




「……なに?俺に言えないこと?」


「っ、うん、」