冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



カバンを引き出して帰りの準備を始める。


中に筆箱やら宿題やらを詰め込んでいると、


「中村さん、ちょっとい?」


━━━━心臓がドクンと跳ねた。



目の前にいたのは他でもない、凪くんだったから。


なんで。どうして。


学校で凪くんから話しかけられたことなんて1度もないのに。


さっきのこともあって、嬉しいよりも驚きや戸惑いの方が大きい。


「な、に。……相川くん」


カラカラに乾燥した喉を震わせて返すと凪くんは少しだけ口角を上げた。


というより、いつも家で見せる''悪い顔''になったと行った方が正しいのかもしれない。


そのまま耳元に顔を近づけてきた。