冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



じっと見つめてくる凪くん。


その暗い暗い目に吸い込まれそうな錯覚に陥る。

「なあ凪ー?」


男子に肩を叩かれた凪くんは我に返ったように目を逸らしてしまって。


みつめあっていたのは数秒間。

それでも私にはとても長く感じられた。


学校で目が合うことなんかすごく珍しくて、いつもだったら跳んで喜ぶところだけど。


松嶋さんのことがあるから今は素直に喜べなかった。


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*.+゚





「あー、もう!ほんとにあいつらムカつく!」


「し、志穂ちゃん落ち着いて!私は気にしてないから」


放課後。HRの前少しだけ空いた時間に志穂ちゃんと話す。


一緒にトイレに行くと、志穂ちゃんはイラつきながらリップを塗り始めた。