冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



一人暮らしさせてくれるとは、思わなかった。お母さんはいつも夜に出かけて、朝まで帰ってこない。めちゃくちゃ酔ってるときが多いから、仕事をしてるとも思えない。


つまり、そういう店へ行っていたんだろう。仕事も多分、アルバイトしかしてない。


上手くいかないことがあると、私に八つ当たりしてくることも多くて。

「あんたさえいなければ……!」

この言葉は何回聞いたか分からない。最初の頃は、言われたら一晩中泣くくらいに心が傷ついたけど、今はもう「そうだね」って受け止めれてしまう。泣いたって何も変わらないって気づいたから。


私には生まれた時からお父さんがいない。つまりお母さんはお父さんに捨てられたんだろう。

だから、私は愛されていなかった。