昇降口で雨が止むの待ちながら、独り言をつぶやいたとき


『君…。もしかして傘忘れたの?』


そう声をかけてきた男子がいた、緑色の名札…2年生みたい


『あ、えっと…。はい』


『そうなんだ…。じゃあ、はいこれ』


『え?な、なんですか?』


その男子は、初対面の彼女に急に傘を差し出してきたらしい


『ん?何って傘貸してあげるって意味だよ?』


『へ?!い、いや悪いですよ!それに、まだ喋って間もないのに…』


『いいのいいの!俺は折り畳み傘があるから!それに困ったときは助け合いでしょ?』


そう言って爽やかな笑みを向けてきた