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「気合いを入れろ!来月この国の建国祭が開けれる。俺達は誇り高き騎士として、不届き者達を排除し、建国祭を無事に終わらせる。いいな!」

「「「おぉーーー!」」」

 騎士達の怒号が鍛練場に響き渡る。リリアーヌそれを端の方で見守った。

 どうしてこのようなことになったかというと来月この国、ルーレンス王国の建国記念日がある。毎年盛大に祭りが取り行われるのだが、今年は建国150年という節目の祝いの年。近隣諸国からも貴族や王族を招くことになっている。お祭り騒ぎの中、悪事を働こうとする者は多い。どんな不届き者が現れるか分からない。そのため、グランツ様や騎士達は気合いを入れ、悪事を未然に阻止するため、警備を強化しようと鍛練を続けていた。


 それから一週間、特に変わった様子も無く、リリアーヌは黒いフードを深くかぶり、酒屋の隅で息を潜めた。こう言う場所は情報が集まりやすい。特に悪事を働こうとする人間は、こういう所で情報や人を集めることがある。

 まあ、大体が小悪党なのだが……。

 本当に悪いことをする人間はもっと上手くやる。

 こざかしいことにね。

 しかし、今は小悪党だろうが、小さな芽も摘んでおきたい。

 建国祭を無事に終わらせることが我々騎士団の仕事だから。

 リリアーヌはそっと奥の席に座り、沢山の話し声の中から不穏な声を聞き分けていく。