違和感に気づいたリティだったが、問う前にランベールが立ち上がる。

「軽く話すだけのつもりが、ずいぶんと長引いてしまった。あなたももう寝る時間だろう。私もそろそろ休ませてもらう」

「こちらこそ、殿下とお話できてよかったです。今日はありがとうございました」

「ああ、おやすみ」

「おやすみなさい」

 リティは会釈してからもと来た道を戻ろうとした。

 しかしはっとしてランベールを振り返る。

「ごめんなさい、殿下。西の邸宅への道を教えてもらえますか……」