【SS集】きゅん、集めました

 うぐ、と手が止まる。

 そのすきを見計(みはか)らったように、あごに指が引っかけられて、顔の向きを変えられた。




「…!?」




 触れたのは、唇。

 口の中に流れ込んでくるのは、甘い甘いホットチョコレート。




「はぁ…こんな甘ったるいもの、よく飲めるな」




 ごくり、と思わず飲みこんでから、ごまかしがきかないくらい顔が熱くなっているのを自覚する。




「な、な…っ!」




 指の先まで熱くなってる。

 私を見た千晃は、余裕しゃくしゃくと笑って唇を動かした。




「美味いか?」




 悪魔の問いなのに、私はゆっくりと うなずいてしまった。




fin.