チョコレートをきざんで、牛乳を温めて。

 沸騰(ふっとう)する前にチョコレートを入れたら、ぐるぐると混ぜて溶かす。

 甘い香りがただようなか、チョコレートがすべて溶けたのを確認したら、ホットチョコレートのできあがり。




「マグカップマグカップ~」




 出しておいたマグカップを手元に引き寄せて、小鍋の中身をそそぎ移した。

 私は猫舌だから、先に小鍋を洗ってホットチョコレートを適温に冷ましておく。




「よーし、洗い物終わり!」




 小鍋の水滴(すいてき)を拭き取って元の場所へと戻してから、マグカップを持ってリビングに移動する。

 これからむかえるのは至福(しふく)の時間。


 マグカップを一度テーブルに置いて、しずしずとソファーに腰かける。

 ふぅ、と息を吐き出して、丁重(ていちょう)にマグカップを持ち上げると、こらえきれない笑みが浮かんだ。

 そっとマグカップに口を近づけ、息を吹きかける。