「そ、そんな。いいよ、もうずいぶんと前のことだし」




 レナードくんは、つい、と視線を動かして私を見た。

 形のととのった唇が開く。




「おまえは俺のパートナーだ。おまえのことも尊重する意志はある。だから、必要最低限しか関わる気はねぇ」


「え…ど、どうして?私、レナードくんのこともっと知りたい」


「…おまえ、俺のこと苦手だろ」




 あわててレナードくんに体を寄せると、眉を片方上げて、いぶかしむように見つめ返された。

 まさか、気づかれていたなんて。

 目を丸くしてから、右手を口元に寄せて、視線を落とす。




「たしかに…最初はレナードくんのこと、ちょっと苦手に思ってたよ。でも、今はレナードくんと仲良くなりたいって思ってる」