「んだそれ」




 ぼそっとつぶやいて、レナードくんはサンドイッチをまた一口食べた。

 レナードくんは魔法を使うために、よく私を呼ぶ。

 だから、その魔法がもっと強力になれば、できることが増えてよろこんでもらえるかなと思ったんだけど……。


 実はそんなに興味がなかったのかな、と落ちこんで、私も一口サンドイッチを食べた。




「おまえは俺にハグされていやじゃねぇの」


「え…?う、ううん、いやだなんてそんな」


「…おまえに初めて会ったとき、勝手にキスして魔法使ったこと、あとでセンコーに説教された」




 レナードくんが話してくれた内容にびっくりして、視線を落としている彼の横顔を見つめる。




「センコーは ただグチグチうるせぇだけだったけど。たしかにおまえの気持ちを考えてなかったことはあやまる。わるかった」