「あのね、うわさで聞いた話なんだけど…その、ハグをしながらキスをすると、もっとすごい魔法が使えるようになるんだって」


「うそくせぇ」




 ばっさりとした言葉が返ってきて、思わず苦笑いがこぼれた。

 たしかに、魔法については いろんなうわさが飛び()っていて、信用できない話もあるけど。




「でも、先生も2人が想い合うことで魔法が強力になるって、言っていたじゃない…?」


「だから、ハグ?ガキみたいな発想だな」


「…レナードくんは、試してみるの、いや?」




 辛口な意見を聞いて、眉を下げながら問いかけると、レナードくんは私を見つめて答える。




「なんかして欲しいことあんのか?」


「ううん、そういうわけじゃなくて。ただ、もっとすごい魔法が使えるようになったら、レナードくん、うれしいかなって」