気がつくと、肩で息をしていた。言葉の代わりに、ハアハアと荒い息が口から出ている。
喋っている間は、彼ではなく彼のうしろの窓の向こうに広がる木々を見つめていた。このときになってやっと、視線を彼へと戻した。
彼のごつい顔に浮かんでいるもの。
驚きや失望や疲れや倦怠?
いいえ、違う。
なにも浮かんではいない。まったくの無表情。
一瞬、わたしの説明がまったくわからなかったのかと思った。
喋っている間は、彼ではなく彼のうしろの窓の向こうに広がる木々を見つめていた。このときになってやっと、視線を彼へと戻した。
彼のごつい顔に浮かんでいるもの。
驚きや失望や疲れや倦怠?
いいえ、違う。
なにも浮かんではいない。まったくの無表情。
一瞬、わたしの説明がまったくわからなかったのかと思った。