パトリスとピエールとは、なにかと接触を試みている。

 青年将校たちは、気さくでやさしい。だから、わたしだけではなく、ラングラン侯爵家のみんなともうまくやっている。

 それなのに、彼らはフェリクスに関することとなると口を閉ざしてしまう。頑なに話そうとしない。はぐらかし、逃げてしまう。

 いくら軍人でフェリクスの部下とはいえ、そこまで意固地にフェリクスの話題を避けられると、こちらも面倒くさくなってしまう。

 したがって、つぎなる策を実行に移すことにした。