長い長いよと去年は思った閉会式。

響くんチーム他の表彰が終わり,校長先生の言葉も終わり。

あまりにあっさり終わってしまって,心臓が早鐘を打った。

期待していたSHRなんて,もっと直ぐに終わってしまって。

私は佐久間くんへ思いきってメッセージを送ると,チャイムと同時にそっと駆け出す。

この教室から,1番遠くの。

時間が稼げる空き教室へ。

初恋が,私の思い出が終わる。

走るほど,噛み締めるほど。

何かが身から剥がれ落ちるような,そんな気持ちがした。

手離す,手放す。

私はもう,それを必要としていないから。

だから,思い出だけを胸に繋げて。

もう,さよならだよ,佐久間くん。

だから佐久間くんも全部話してくれること,私はそれだけを願っています。

佐久間くんを,信じています。