──ドーン。ドドーーン。
新の言葉に被せるように、花火の大きな音が鳴り響く。
え。新、いま私のことを好きって言ったよね?
いや。もしかして、聞き間違いかな?
だって私はもうとっくに新に振られてるんだから、そんなことあるわけが……。
「なに? 新、よく聞こえなかったんだけど……」
大輪の花火の音のせいにして、聞こえなかったフリをする私。
「だから、俺は……っ」
新の唇が、私の耳元へと近づく。
「俺は彩里のことがずっとずっと、好きだった」
……うそ。
今度はさっきよりもハッキリと声が聞こえた。
花火に照らされた新の顔は、真っ赤になっていて。
信じられない気持ちでいっぱいだったのが、確信へと変わる。
「でっ、でもどうして? 私、小学校の卒業式のとき、新に振られたよね?」



