誰もいない廊下を、私はひたすら走る。
「はぁ……はぁっ」
──ねぇ、新。
新は、昔からずっと変わらず優しくて。
かっこよくて、頭が良くて。運動もできて。
バスケが上手で。
だけど、勉強もバスケも新は人の何倍も努力してて。
そんな新のことが、私は本当に好きだった。
「……はぁっ、はっ」
私は立ち止まり、廊下の窓から秋の夜空を見つめる。
新はこれから、告白するのかな?
自分から告白するのって、勇気がいるよね。
だけど新なら、きっと大丈夫。
好きな子ときっと、両想いになれるよ。
だって新は、私の自慢の幼なじみなんだから。
幸せに、なってね……。



