「いただきます」
私はスプーンでプリンをすくうと、口へと運ぶ。
「んっ、美味しい」
プリンのまろやかで優しい甘さが、口いっぱいに広がる。
「彩里はほんと、プリンが好きなんだな」
「うん、大好き。新、ありがとう。ごめんね、私何も用意できてなくて」
「そんなのは気にしなくて良いんだよ。それは、俺からの気持ち。彩里、今日は接客めっちゃ笑顔で頑張ってたから。俺も頑張れた」
優しく微笑んでくれる新。
新、見ててくれてたんだ。
「ありがとう」
嬉しいな。こんなことされたら、新のこともっと好きになっちゃうよ。
新からもらったプリンは、今まで食べた中で一番美味しかった。



