これも全部花火のせい

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「その顔。もしかして花菜乃思い出した?」

昴汰の言葉にこくっと頷く。


「私が静かなとこで花火見るのロマンチックだって言ったからここ選んでくれたんだね。」

なんでこんな大事なことを忘れていたんだろう。

「ごめん。かな、ひどいこといっぱい言っちゃった…。昴汰がかなのためって考えてくれたこと全然分かってなかった。ごめん、ごめんね昴汰。」


最後の言葉はほとんど声にならなかった。


その言葉を皮切りにさっき止まったはずの涙が次から次へと溢れてくる。


「花菜乃、僕は怒ってないよ。」

かなの頭をなでながら優しく諭すようにそう言う。

「それに、謝れるのはいいことだけど、ごめんって何回も言わなくていいんだよ。1回言ってくれたら僕には伝わるから。」

昴汰の優しい言葉にまた涙が頬を伝う。