これも全部花火のせい


「あのさ、花菜乃って花火好きだよね?」

「うん!めっちゃ好き!それにね、周りに何もないようなとこでね、花火だけを見上げるのも好き!静かな中で花火の打ち上がる音だけ聞こえるのってロマンチックだと思わない?」

そうまくし立てる。


「そうだね。ありがとう花菜乃。花菜乃のおかげで僕もいい案もらえたよ!」


にこっと昴汰が笑う。

不意打ちの笑顔にどきっとした。


「う、うん。お役に立ててよかった。」

今の話が何に繋がるのかも、何が[案]なのかも分からない。

だけど、これ以上喋ると赤くなっているのがばれてしまいそうだったから「それじゃあかな、用事あるから行くね!」の一言で慌ててその場を後にした。