君と夢に跳ぶ恋

掃除の時間、私の掃除場所は昇降口。

朝よりも足取りが軽い。

星崎さんと話すの楽しかったな・・・。

西活動室の前を通り過ぎたとき。

「ねえ瑞稀、なんで今日の美術一緒にやってくれなかったの?」

ふてくされたような女の子の声。

瑞稀って・・・。星崎さんのことだよね?

窓からは星崎さんの友達の佐藤さんが見える。

私に気づいてないみたい。

「私日下部さんとやるって言ったよ?」

星崎さんの声も聞こえる。

思わず立ち止まってしまった。

「なんで日下部さんとやるわけ?あんな暗くて地味な子とさ。」

暗くて地味・・・。確かにそうかもしれない。

「乃愛も他に一緒にやってくれる人いたでしょ。」

「でも乃愛は瑞稀とやりたかったの!」

「でも日下部さん一人だったし。」

「瑞稀は優しいもんねー。でもだからってあんな子にお情けかけてあげる筋合いもなくない?」

佐藤さんはばかにしたように鼻を鳴らす。