「すっごく美味しそう。じゃあ、試食しよ」


 一つのどんぶりのを四人で小皿に分けてから口に運んだ。


「……うまっ! これ、完成じゃない?」

「だよね。うわぁ〜ギリギリじゃん味が決まるの」
 

 私、(さくら)杏純(あずみ)は高校三年生。現在九月の下旬で、もうすぐ文化祭を控えている。
 文化祭の出し物は、豚肉のスタミナ丼を出すことが決まっている。だけど、なかなか味が決まらず……やっと、出す丼の味が決まった。とてもギリギリだけど。