「めちゃくちゃ可愛い、桜ちゃん」

「……そうかな。でもこの前、逃げられちゃったし」


 今日は、文化祭当日で文化祭が始まる前だ。衣装さんが用意してくれたいつもなら着ない膝より上の丈の長さでヒラヒラのレースをあしらったメイド服を着てメイクをしている。メガネはしていない。


「私たちは可愛いと思う。なんだろ、ギャップ萌え?」

「そうそう。とにかく、可愛いよ」


 クラスの子はそう言ってくれたけど、この前の試着の時に廊下に出たタイミングで千悠くんいたけど逃げられてしまったもん……見ていられないくらい似合ってないってことだよね。


「ま、とにかく。お仕事しよう! ね!」

「うん。そうだね! 今から百食作らないといけないし気合い入れよ!」


 私はそう言って立ち上がった。今やるべきことはスタミナ丼作ること。だから、千悠くんのことは置いておこう!