甘くて優しい青春恋物語 ~文化祭はちょっぴりハプニングと甘すぎな溺愛の予感~

 初めての接客でたくさんの経験になるから、とてもテンションは高かった。

「ごゆっくりどうぞ!」

 料理を運んでそう言い、はぁっと息を吐く。

 飲食業ってこんなに忙しいんだ……知らなかったな。

 いつもありがとうございます、飲食業で働く皆さん……!

 と、心の中でお礼を言った時、カランッとベルの音が聞こえた。

 あっ、新しいお客様だっ!

 入口に一番近いところに居るのは私だったから、すぐに向かう。

「ニンハオ! いらっしゃいませ! 何名様です……か。」

「え、はーちゃん……その格好……。」

 そっか、はやくん今日来るって言ってたっけ。なら、ここに居るのは何らおかしい事じゃない。

 それに想定できたはずだ。はやくんが来ないとは、到底考えられないから。

 だけど、だけど……――思ったよりも、来るの早い気がする……!

「は、はやくん……えっと、これはね……と、とりあえず案内するねっ……!」

 驚いて呆気に取られちゃってたけど、とりあえず接客しなきゃいけない。

 だから私は気を取り直し、はやくんを空いている席まで連れていった。